きっかけは、ショッピングモールでのまさかの再会でした。すれ違ったのは、10年ぶりに会う高校時代の同級生。あの頃からかわいかった彼女、久しぶりに見ても……20代後半って言われても普通に通じるくらい、まったく変わってなかったんです。いやもう、衝撃。
なんで5年も行けてなかったんやろ
その瞬間、思わず自分を振り返ってしまって。
この数年、わたしはずっと自分のことを後回しにしてきました。髪はいつも自分で切って(そう、まさかのセルフカット)、できるだけお金がかからないように。家族のため、暮らしのため——それが当たり前になってたんですよね。
でも彼女を見て、胸の奥がちくっとして。羨ましさとも、焦りともちょっと違う。ただただ、自分が恥ずかしかったんです。「わたしも、少しは自分のために時間とお金を使ってもいいんちゃう?」。そう思ったら、素直に出てきた感情が——きれいになりたい、でした。
思い切って予約した日のこと
正直、いちばんの迷いはやっぱりお金でした。
これまで自分で切ってたから、かかる費用はもちろん0円。それが美容院に行くとなると、1回でだいたい1万円。今まで一切かけてこなかったお金やから、予約ボタンの前で指が止まりました。……うん、完全に止まった。
でも、と思い直して。鏡を見るたびに、自分のマイナスなとこばっかり探してしまう。そんな自分を、そろそろ変えたい。1万円は、その第一歩の「自分への投資」やと思うことにしました。
美容院選びで、わたしが大切にしたこと
とはいえ、数ある美容院から1つを選ぶのがまた大変で。久しぶりすぎて、お店選びはめちゃくちゃ慎重になりました。
わたしが選ぶときに大切にしたのは、こんなこと。
- 落ち着ける空間であること——ゆっくり自分の時間を過ごしたかった
- スタイリストさんが若すぎないこと——同年代に近い目線で相談したかった
- 「お気に入りの場所」になりそうなこと——一度きりじゃなくて、また通いたいと思える個人サロンを中心に探しました
久しぶりの、自分だけの時間
席に通されて、まず怯みそうになったのが、あの大きすぎる全身鏡。
普段、自分の全身をまじまじと見ることなんてないんですよね。そこに映る自分は、なんだか現実を突きつけられてるみたいで——一瞬、目をそらしたくなりました。
美容院の鏡って、なんで顔が丸々と見えるんでしょうね。……(これが現実なのか…!?)
誰かに何かをしてあげるばかりだった日々のなかで、ただ座って、されるがままでいい時間。
元美容師として感じたこと
担当してくれたスタイリストさんは、経験も知識も豊富で、技術の不安はまったくなし。おしゃべりも楽しくて、安心して身をゆだねられるって、それだけで幸せなことなんだなぁと実感しました。
髪を人に乾かしてもらうのも、ほんまに久しぶりで。なんて贅沢なんやろ、って。自分のために使う時間とお金。それは想像してたよりずっと、贅沢で、幸せな時間でした。
鏡を見て、思ったこと
自分のために、人がこんなにも時間をかけて、丁寧に向き合ってくれる。そのことが、ただただありがたかったです。
仕上がった髪はサラサラで、鏡に映る自分を見たら、自然と気分が上がってました。そして「きれいになりたい」って気持ちが、前よりずっと強くなってる自分に気づいたんです。
ずっと後回しにしてきた「自分」を、これから少しずつ大切にしていきたい。そのことに気づかせてくれた同級生に、心の中で感謝してます。あの偶然のすれ違いがなかったら、わたしはきっと、まだ自分を後回しにし続けてたから。